韓国語学習者や韓国ドラマが好きな人なら、1度は耳にしたことがある言葉「アジュンマ」(아줌마)。アジュンマという言葉には、どんな印象をもっていますか?
今日は「アジュンマ」という言葉の使い方や文化について解説します。韓国語学習中の人や韓国に興味のある人なら、理解しておきましょう。韓国語学習の役に立てればと思います。
「まなじゅんま」。このブログのタイトルでもありますが、この地味な造語は「学ぶ+アジュンマ(おばさん)」という意味が込められています。
韓国語語彙「アジュンマ」(아줌마)の定義
アジュンマの定義について、NAVER 韓日辞書にはこのように記されています。
「アジュンマ」とは、ある程度年齢を重ねた女性への呼び名。通常、結婚して子供がいる母親世代以上の女性のことを指すことが多いです。
結婚して出産すると、韓国のお母さんたちは、強くたくましい存在として家庭を守り、特に子供の母親として生まれ変わります。実際は全員がそうではないのですが、熱心な教育ママのイメージが。もちろん、未婚で子供がいない中年女性ももれなく「アジュンマ」になります。
アジュンマ VS アガシ(아가씨)
アジュンマの対義語扱いされることが多い言葉があります。それは、お嬢さんという意味の「アガシ」(아가씨)。若くてきれいなオルチャン女性(「얼굴 짱」を短くした語で美しい顔の女性)を思い出す方もいるでしょう。
韓国の女性は美意識が高いので、多種多様な化粧品はもちろん、ダイエット、美容整形も盛んです。背が高くスタイルのよい若い女性が歩いていると、ついふりかえって見てしまいます。しかし、アガシも年をとればアジュンマ。そして、アジュンマになりたてのアガシたちは、この言葉にすごく抵抗を感じています。
アジュンマ映画、ドラマの紹介
韓国語語彙「アジュンマ」が理解しやすい映画やドラマをご紹介します。
まず、映画「アジュンマたちの反乱」(原題 ‘‘아줌마…줌마들의 반란‘‘ 2015)は、パワフルなおばさんたちが、社会の悪に立ち向かっていくとても爽快な映画です。おせっかいで世話やきのおばさんたちが奮闘します。
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次に、ドラマ「スカイキャッスル」(JTBC 2019)は、子供の教育に渾身する母親たちの奮闘を描いたドラマで、高視聴率を獲得。
韓国ドラマらしく極端でハラハラする展開で、過酷な受験戦争をという韓国社会の側面を映し出します。子供も大人もとにかく波乱万丈。裕福な家庭の奥様たちの見栄や欲が見え隠れします。
「アジュンマ」の使い方と中年女性を指すほかの呼び名
「アジュンマ」は、実際にどこでどのように使われているのでしょうか?
街中での使われ方
大人の場合、直接本人に呼びかける時には、「アジュンマ」という言葉はあまり使われません。逆に、文句を言ったり、ケンカしたりするときは使われやすいです。また、子供や学生が、店で中年女性に話しかける時には耳にするかなという印象です。
相手や関係性にもよりますが、若いアジュンマ世代の女性に使うと、相手に対して失礼になる可能性大。かなり微妙です。その代わりに使われやすいワードはこちら。
アジュモニ(아주머니)
「アジュモニ」は、相手に敬意をこめた丁寧な呼び名。アジュンマが「おばさん」なら、アジュモニは「おばさま」です。直接相手に対して使われる頻度は少ないですが、アジュンマよりは安全圏です。
サモニム(사모님)
「サモニム」は、「奥様」にあたる言い方。サービス業で、中年女性のお客さんに対して使われることが多く、目上の女性相手に敬意を表した呼び方です。営業職の人は、必ずといってよいほど連発している言葉でしょう。
オンニ(언니)
アジュモニやサモニムではよそよそしい場合、「オンニ」が使われることもあります。「オンニ」は、もともとお姉さんという意味。年齢が人間関係で重要な韓国では、女性同士で仲よくなった年上の相手に、親しみをこめて「オンニ」と呼ぶのが普通です。
「アジュンマ」の代わりに「オンニ」を使うことがあるのは、美容室やネイルショップなど。中年の女性店員が中年女性のお客に対して使うことが多いです。おしゃべり好きで、世間話に花を咲かせることも。面白いのは、実際には相手が年下でも「オンニ~」と言うこともあります。それほど「オンニ」は好感度の高い呼び名なのでしょう。
韓国文化を理解する重要ワード?「アジュンマ」
韓国語語彙「アジュンマ」について理解できましたか?結婚して子供を産み、妻、母として嫁として大忙しのアジュンマ。韓国語にはさまざまな呼び名がありますが、母親として「○○オモニ/オンマ」(○○어머니/엄마)、妻として「チプサラム」(집사람)、嫁として「ミョヌリ」(며누리)と、世の中のアジュンマたちは、幅広い役割を担わなければなりません。これは、もう、強くたくましく変貌するしかないでしょう。
とはいえ、人それぞれ。「アジュンマ」のステレオタイプに翻弄される必要はありません。美しく変身したアジュンマも結構いますし、学生になったアジュンマ、実業家として活躍するパワフルアジュンマもいます。もしあなたが中年女性なら、どんな「アジュンマ」になりたいですか?